噛み合わせが深く、上の歯が下の歯をほぼ覆っている状態を、「過蓋咬合」と呼びます。通常なら、上前歯は下前歯の上、3分の1から4分の1ぐらい被っています。過蓋咬合のような噛み合わせ異常だと、肉を噛み切る場合などの、前歯を使用した食事が不可能になる、といった弊害があります。
噛み合わせ異常である過蓋咬合になる原因として指摘されているのが、骨格が深くなりやすい形状である場合、そして前歯が思いのほか前方に出てしまっている影響で、噛み合わせが深くなってしまったり、奥歯が抜けた影響で噛み合わせが低く深くなってしまった場合、前歯が被ってしまうようになっている、ということです。
過蓋咬合をそのまま放置しておくと、下前歯がほとんど見えなくなってしまい、大きな負担が下顎にもかかってしまいます。その結果、顎関節症を発症する恐れも出てきてしまいます。過蓋咬合は、基本的に歯の裏側から行う「舌側矯正」によって治療されます。この矯正方法は、上前歯の裏側と下前歯がぶつかることを想定して行われます。
また、この矯正方法なら、前歯の外を矯正する方法よりも短期間で突出した歯を矯正することが可能です。過蓋咬合による噛み合わせ異常は矯正治療でほとんど解決可能ですが、症状がひどければ、場合によっては手術を受ける必要が出てきます。
その場合の手術では、例えば突出した前歯を骨へ埋め込んだり、奥歯の高さを上げる為の矯正装置を使ったりします。ただ、治療内容次第で、高額な費用がかかってしまいます。治療によって、保険対象になる場合とならない場合がありますから、治療する時には、担当の医師としっかり話し合うことが大切です。