いわゆる「出っ歯」と呼ばれる「上顎前突」は、受け口と同じ様に遺伝的要素が強く、乳幼児期のゆびしゃぶりが原因になることも多い噛み合わせ異常です。上顎が過剰に成長しているのにも関らず、下顎の成長が弱い場合、上顎前突になります。下顎の成長が特別遅れている場合、上顎前突と区別して「下顎後退」と呼ばれるようです。
また、上顎前突は、斜めに上の歯が出ているだけではなく、上顎の骨自体が前方に出てしまっているケースもあります。こうした状態では、歯と顎のバランスが崩れてしまって上下の噛み合わせに不具合が生じますから、歯磨きが充分にできないことを原因とする虫歯や、奥歯がちゃんと機能できない、といった問題が生じてしまいます。
出っ歯には、噛み合わせがズレていて、上前歯だけが前方に飛び出しているイメージがありますよね。けれど実は日本人の骨格性上、大半のケースでは上下の噛み合わせは合っていて、上下両方とも前方に飛び出しているケースがあります。上顎前突は歯列矯正で噛み合わせ治療を行います。
けれど、もし矯正だけで治療していきなら、2年から3年といった長い月日を要することになります。なぜなら、歯は1ヶ月に1mm程度しか移動できないからです。もし歯列矯正だけで治療できなければ、外科手術を受けざるを得ません。上の歯の第一小臼歯を左右両方とも抜歯し、顎の骨も切除し、下顎の歯が上顎の内側にくるように動かし、それから矯正治療に入ります。
このケースでは、手術から矯正までの期間に1~2年程度要します。さて、費用の面ですが、これ程の治療を行うとなると、かなり高額になってしまいます。一般的には、大体70万円から100万円程度、予算を準備する必要があります。また、治療は一度始めてしまうと後戻りすることは不可能ですから、お医者さんとよく話し合ってから、治療をスタートして下さい。